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むすひ

2017年1月27日

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”「縁」とはとても奥深い意味を持つ言葉です”の記事で、仏教用語としての「縁」、「縁起」について記しましたが、神道では、連綿と絆が結ばれて永遠であるものを「縁起」としています。言い換えれば出会いやご縁というものには何かしらの偉大な見守りがあると信じているということです。

その「神道」の根本思想のひとつ「むすひ(産霊)」についてまとめてみました。

昨年大流行した映画「君の名は」の中でも「むすび」について語られる場面があり、「土地の氏神さまのことをな、古い言葉で産霊(むすび)って呼ぶんやさ。この言葉には、いくつもの深いふかーい意味がある。糸を繋げることもムスビ、人を繋げることもムスビ、時間が流れることもムスビ、ぜんぶ同じ言葉を使う。それは神様の呼び名であり、神様の力や。ワシらの作る組紐も、神様の技、時間の流れそのものを顕しとる」というものでした。

実際に「ムスヒ(ムスビ)」を神名に含む神は多数おり、いずれも「むすひ」の働きをする神と考えられます。古事記の造化三神の中にもタカミムスビカミムスビの2神がいます。

今の日本人は信仰心が強い訳でもありませんが、お正月には神社に行き、おみくじを引き、正月飾りをし、厄年にはお祓い、受験では絵馬、お守りなどなど、昔から神を身近に感じる心が無意識に息づいているのではないでしょうか?

神社本庁のHPから引用しますと、~神道は、日本人の暮らしの中から生まれた信仰といえます。遠い昔、私たちの祖先は、稲作をはじめとした農耕や漁撈などを通じて、自然との関わりの中で生活を営んできました。自然の力は、人間に恵みを与える一方、猛威もふるいます。人々は、そんな自然現象に神々の働きを感知しました。また、自然の中で連綿と続く生命の尊さを実感し、あらゆるものを生みなす生命力も神々の働きとして捉えたのです。そして、清浄な山や岩、木や滝などの自然物を神宿るものとしてまつりました。やがて、まつりの場所には建物が建てられ、神社が誕生したのです。このように、日本列島の各地で発生した神々への信仰は、大和朝廷による国土統一にともない、形を整えてゆきました。そして、6世紀に仏教が伝来した際、この日本固有の信仰は、仏教に対して神道という言葉で表わされるようになりました。~と、いうことです。

確かに日本は幾度となく大きな自然災害に見舞われてきました。しかし、それを受け入れてこられたのも納得がいくような気がします。

むすひ(産霊)とは、天地・万物は「むすひ」の働きによって生じ、発展するという考えで、「むす」は「苔生す」(こけむす)の「生す」と同根で、生じるの意、「ひ」は霊威の意を表します。

「ムス」は「蒸す」や「醸(かもす)」という漢字が当てられます。

醗酵の意にも使われ、醗酵によって米や麦が酒というまったく異なるものに変成することを指しています。

また「苔むす」のように、岩肌から植物が突然のように生じてくることも指し、「ヒ」は生命の根源の「火」であり、「霊」です。つまり、「ムスビ」とは、生命・霊が殖え生まれることを意味するものです。

男女の「むすび」もまた生命・霊魂の繁殖であって、生まれた子供を「ムスコ・ムスメ」と呼びます。

古来日本では、この生命的・霊的な生産を「ムスビ」と呼び、これをたいへん重要視してきました。

我々はこのむすびの妙用によって、常にいろいろ尊い果を産んでいく「因」に会うこと、因を作ることを心掛けなくてはならない。できるだけあらゆる機会に勝因(聖因)を作るように、むすび、縁を尊ぶことが大切である。(安岡 正篤 は「東洋的学風」)

やはり、我々の存在を含め、全ての存在や出来事、出会いには理由があると思わされます。

 

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高橋 修

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