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袖振り合うも多生の縁

2016年12月5日

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「袖振り合うも多生の縁」という言葉は誰もが耳にしたことがあるでしょう。(「袖擦り合う(擦れ合う・触れ合う)のも多生の縁」ともいうようです。)

しかし、「多少の縁」だと覚えていたり、少し曖昧な感じでなんとなく耳に残っている程度ではないでしょうか?

言葉の意味としては、人との縁はすべて単なる偶然ではなく、深い因縁によって起こるもの。どんな出会いも大切にしなければならない。という仏教的な教えに基づくものです。「しなければならない」なんて言われるとちょって重い感じはしますが、深く考えるとそう思わされるものです。

「多生」とは、仏教の六道(天道、人道、修羅、餓鬼、地獄、畜生)を輪廻して何度も生まれ変わるという意味で、 「多少」とはこの中で生まれ変わることを繰り返す(転生)の意味。「多生の縁」は、前世で結ばれた因縁のことです。

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六道は三善道(三善趣)と三悪道(三悪趣)の二つに分けられます。

三善道。

  • 「天道」 苦が少なくて楽が多い、喜びを感じる世界
  • 「人道」 人の生きる世界、ただ人間特有の迷いや苦しみは存在する
  • 「修羅」 苦しみから戦いが生まれてしまい永遠に繰り返される世界

そして三悪道。

  • 「畜生」 動物のように欲望の通り生きること、家畜のように仏の道では救うことができない世界。
  • 「餓鬼」 目の前の欲望をひたすら飲み込もうとする。欲望は飲み込む時に火と変わり永遠に喉の渇きとしてその世界の者を責め続ける
  • 「地獄」 苦しみばかりの世界。焦熱地獄や極寒地獄、賽の河原や阿鼻地獄、叫喚地獄などがある

これら六道を生まれ変わりながら「人道」で生まれたのが「人」です。

そしてこの生まれ変わりの時に「どうやって生まれてきたか」を四つに分類し、四生(ししょう)といいます。六道+四生のことを「輪廻転生(りんねてんせい・りんねてんしょう)」といいます。

四生とは

  • 「胎生」 母親の胎内から生まれる
  • 「卵生」 卵が孵化することで生まれる
  • 「湿生」 虫などは湿気から生まれるとされていました
  • 「化生」 胎生や卵生ではなく、突如生まれること

「人」は人道で母親から生まれたのです。これは奇跡的なことであり、深い意味があっても事であると考えさせられます。そう考えると、今こうして生きているということ、ちょっとした縁で関わるということは、現世で「たまたま」、「偶然」と思うことも、何気ない些細なことでも、その繰り返す転生の中できっと深い縁があったということなのかもしれませんね。

実際にこれまでの人生でかかわってきた人の縁を思い起こしてみると、様々な偶然の上にあるように思えます。「もし、あの時ああでなければ出会っていなかった。」と。だからたまたまそうなっただけだと思うかもしれません。しかし、もしかすると「あの時ああでなくてもその人とは別なかたちで出会っていた」のかも知れませんね。

私たちは多くの出会いで、多くの人に救われてきました。これからも生き続ける限りご縁は増え続けると思います。これまでのご縁に感謝し、これからはその感謝の気持ちをより多くの人へお返しできるよう、「縁」というものを大切にしてゆきたいと思っております。

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高橋 修

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