グルテンフリーで症状改善
グルテンフリーとは
「グルテンフリー」とは元ミス・ユニバース・ジャパン公式栄養コンサルタントのエリカ・アンギャルさんやテニス世界王者ノバク・ジョコヴィッチ選手なども取り入れている食事法で、 「グルテン」を食べない食事方法として日本でも注目されるようになっています。アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアでは普通のスーパーでは様々なグルテンフリー食材が揃えられているほどです。
グルテンとは
「グルテン」とは小麦、大麦、ライ麦、オーツ麦などの穀物の胚乳に含まれるたんぱく質の一種です。これらに水を加えて捏ねると、「グルテニン」と「グリアジン」という二種類のたんぱく質が絡み合い、弾力性と粘着性ができ、うどんやパスタ、パン等のもちもちとした食感のもとになります。
グルテンには食欲を促進する働きがあり、クッキーや菓子パンの食べ過ぎは腸の疾患、アレルギーなどを引き起こすほか、栄養素の吸収や代謝、老廃物の排泄などの機能が狂ってきます恐れがあると言われています。また最近では、脳に炎症を起こし、腸に小さな穴を開けるとも言われています。
具体的症状としては、慢性的な便秘や下痢、イライラ、頭痛、疲労感 、肩こり 、集中力の低下、自己免疫疾患、食後血糖の急上昇 、シミ・シワ 、肥満、アレルギー症状などを引き起こし、糖尿病 、高血圧 、脳疾患 、IBS(過敏性腸症候群) 、セリアック病、ぜんそく、アトピーなどの疾患に繋がるということです。
毎日バランス良い食事を心がけているのに、何故か体調がよくならないと感じている方は、是非この「グルテン」に注目してみることで良い方向に向かうかも知れません。
グルテン過敏症(グルテン不耐症)とアレルギー
①セリアック病
遺伝性の自己免疫疾患です。セリアック病の遺伝子を持っている人がグルテンを摂取すると免疫性の中毒症状を引き起こして小腸内にある栄養を吸収するための繊毛突起を損傷してしまいます。そして食べ物が腸に入ってきても吸収がうまくできなくなってしまう病気です。 一度発症してしまうとグルテンフリー食以外にセリアック病の治療方法はないそうですが、グルテンを摂らないでいれば小腸の状態も改善されてくるそうです。セリアック病の患者数は、日本人には以前は発症例がなかったそうですが、現在は人口の0.7%にあたる87.5万人が発症していると信州大が発表しています。
②非セリアックグルテン感受性(NCGS:Non-Celiac Gulten Sensitivity)
セリアック病の発症メカニズムに酷似していますが、セリアック病のように死に至るなどの重大な問題に問題に至ることは少ないようです。潜在的に症状を持つ人が多くいます。
③小麦アレルギー
グリアジンがアレルゲンになり、体がグリアジンに対して抗体を作ってしまうことでアレルギーになります。(食物アレルギーは免疫グロブリンE(IgE抗体)というタンパク質が原因となっており、 このIgE抗体がどの食品に対して作られているかということでアレルギーを引き起こす食品を決める要因となっています。小麦アレルギーの場合は、小麦に対してのIgE抗体が作られるのです。)
検査方法
しかし、遅延型アレルギーの場合はすぐに症状が現れないので、自分でアレルギーを疑うことは難しいと思います。
病院でのグルテン過敏症やセリアック病の血液検査は、保険適用外(自由診療)のIgG抗体検査やIgA抗体検査(どちらも遅延型アレルギー検査)となり、費用が4~5万円程度そうです。少しでも安価で手軽に確かめたい場合は、遅延型のIgG抗体を調べる96項目のフードアレルギー検査ができる検査キットを購入して自ら行うのも判断の目安になるでしょうし、2~3週間グルテンを含む食品を摂らないようにし、様子を見るのが良いと思います。
グルテンを含食品
パン、ホットケーキ、パスタ類、ドーナツ、ケーキ、クッキー、菓子類、揚げ物、ラーメン、うどん、小麦粉をつなぎとした蕎麦やハンバーグなどがあります。まさに現代の日本の食はグルテンだらけです。
グルテンフリーへの道
しかし、急にグルテンフリーの生活に移行するのは困難です。学校給食や外食などで口にする機会も避けられない場合もあります。
まずは主食をお米にし、グルテンを含むものを意識して減らしてみましょう。